10。使える三角関数
★弧度は水平線イメージで
1.一般化のルール
三角比の一般化が三角関数(Trigonometry)
<変域の拡張>
角度を単位円での回転角(角度、°,degrees)を
回転弧長(弧度,radians)で表現する。あえて単位をつけるときはラジアン、radを使う。
単位円の中心角360°が2・1・π=2π(rad)に対応する。角度の1°は2π/360(rad)という長さ、
1(ラジアン)の長さは逆数の360/2π(°)という角度に対応する。
約分が煩わしいので、180°でπラジアンと覚えた方が速い。
数Ⅰまでの角度法の0°以上180°以下は、弧度法の0以上π(ラジアン)以下にとって代わる。
それだけではない。180°以上360°の反時計回りの半円弧も動かすことが加わる。
みかけ上動径OPが0°に見えても、何回転もしているかもしれないし、逆回転も可能。
ぐるぐる回っても、整数回転すれば、動径のsin,cos,tanの値は変わらない。
時計回りを負の方向として、長さにも負があるという形式にできる。
これを弧度法で、0+2nπ(n=0,+1,-1,+2,-2,.......)(ラジアン)などとかき、一般角という。
こうして、すべての実数を三角関数の変域にすることができる。
一般角はすべての実数にわたるというだけでなく、規則的な解のもたらす土台でもある。
・下の半円弧では、sinはy座標なので負になる。
・cosは上下関係なく、x座標と同じ正負になる。
・tanは傾きなので、90°の倍数で正負が反転する。
(例)cosθ=1/2となるとき、sinθ、tanθは?
cosが正になるのは、単位円のx座標だが、y座標は正負どちらも可能。
(例)半径1の円周が2πだから、半径1で中心角θ(rad)の弧長は L=2π・θ/2π=θ。
半径rの円周が2πrだから、半径rで中心角θの弧長は L=2πr・θ/2π=θr。
半径rの円の面積がπr2だから、半径rで中心角θの面積は S=πr2・θ/2π=1/2θr2=1/2 Lr。
中心角が小さくなくても、扇形の面積を弧Lを底辺、半径rを高さとする三角形の面積と
同様な式になっているね。
<三角比と共通な原則>
特に、r=1の単位円では動径OPに対して、P=。OPの傾き=tanθ
1+tan2θ=(tanとcosの置き換えにわりと便利)
<よくある弧度と比の確認>
sin=cos=、sin=cos=。
tan=1/tan=、tan=。
sin=cos=、tan==1。
(例)tanθ=3のとき、の値は?
★よくある弧度と値を確認しよう。
2.かんたん化のルール(Reduction Rule)
<周期性(periodicity)>
正弦・余弦の周期は360°(2π)で、正接は180°(π)
tan(θ+π)=tanθ
<符号だけ入れ替わるかも系>
・y軸対称はπーθ(コサインマイナス)
・x軸対称は-θ(サインマイナス)
・原点対称は+π(両方マイナス)
<サインコサイン入れ替わり系>
sinはcosへ、cosはプラマイ逆でsinに。
・直角三角形のペア角はπ/2-θ
・90°回転は+π/2
(例)sin(-25°)-cos35°+sin55°-sin205°の値は?
-sin25°-sin(180+25)°-cos35°+sin(90-35)°
=-sin25°+sin25°-cos35°+cos35°=0
(例)(cos125°+cos(-35)°)2+2sin35°cos35°の値は?
sin35°=y,cos35°=xとすると、x²+y²=1。125=35+90。
与えられた式は(-sin35°+cos(35)°)2+2xy=(x-y)2+2xy=x2+y2=1