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12.正弦と余弦の定理

1.余弦定理と三平方の定理

このページは電子ブック「探求 数学Ⅰ」の一部です。 <三平方の定理×余弦定義=余弦定理> ・角Cが直角な三角形では、角Cの対辺をcとすると、 三平方の定理が成り立ったね。  角Cが直角でないときは、Cの余弦(cosC)を使って、似た式ができる。  三平方の定理と余弦の定義をコラボしてみよう。 だ。これが余弦の定理。 (だから、逆に余弦定理を忘れたら、直角三角形を作り、 三平方の定理と余弦の定義に戻ればなんとかなる可能性が高い。 ただし、いちいち「車輪から作る」よりも楽だから、使い方は覚えたほうがよい。)
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<余弦定理の証明例> 1.斜辺aの直角三角形について 2.辺bについて 3.斜辺cの直角三角形について 4.角Cについて 1と2の両辺和は、 この最後の式に3と4を使うと、だから、 角Cが鈍角の場合の証明も考えてみよう。。。 <余弦定理は3つ> 角C以外にも角A,角Bの余弦定理がある。 辺の順は、アルファベット順ではなくabc,bca,cabとサイクリック順に書いて覚えよう <余弦定理の使い道>2辺a,bの長さと間の角Cが決まると、残りの辺cが計算できる。  (2辺と間の角相等という、合同条件に対応している。) ・3辺a,b,cの長さが決まると、分母の2辺に挟まれた角の余弦が計算できる。  分母にない辺(求める余弦の角の対辺)の2乗が引き算になる。  abc,bca,cabとサイクリック順に書いて覚えよう。  (3辺相等の合同条件に対応している。) ・2辺a,bの長さと間の角Cが決まると、残りの辺cが計算できる。 3辺がでたら、残りの角A,Bの余弦も計算できる。 (例)a=5,b=3,角C=120°のとき、残りの辺と角の余弦を計算しよう。 。c=7となる。

2.正弦の比例定理

<円周角の定理×正弦定義=正弦定理> 三角形の角が大きくなると、対辺の長さも大きくなる。 しかし、対辺と角が比例するわけではない。 対辺と角は比例しなくても、対辺とsin角は比例する。それがsinの定理、正弦定理だ。 円周角の定理と正弦の定義をコラボしてみよう。 結論は、「三角形の辺は対角の正弦に比例し、 比例定数は外接円の直径2Rである。」 (比例定数は2R ) <証明例> 直角三角形ABCの辺ABが外接円の直径2Rになるとき、 定義からとなる。 円周角の定理から、点Aだけを外接円周にそって移動しても、 対辺aも直径2Rも変わらず、角Aの大きさも変わらない。 だから、は維持される。 式を変形するととなる。 三角形ABCの直角Cの頂点だけ外接円周にそって移動して辺aを3分の2のa'にするとき、 正弦の定義から、だから、sinAも3分の2になる。 直径2Rが一定だから、辺と対角の正弦は比例する。比例定数が2Rである。 (例) 「sinA:sinB:sinC=3:5:7となる三角形ABCの最大角」は何度?  正弦定理から、(a,b,c)=(3,5,7)としても相似形の対応する角度は不変だから  一般性を失わない。  cが最大辺だから、角Cが最大。角Cのcosは3辺から求められる。  余弦定理から、cosC=(a2+b2-c2)/2ab=(9+25-49)/2・3・5=-15/30=-1/2。 cosCが負だからCは鈍角。1/2=cosθのとき,θ=60度だから、C=180-60=120(度)  ★余談ですが、7,5,3(七五三)の三角形の鈍角は120度ということだね。
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また、一般の三角形ABCで、頂点Cから対辺cにおろした垂線の長さをhとする。 正弦の定義から、から、となる。 つまり、。辺の長さと対角の正弦は比例する。 同様にしてだから、 (比例定数は2R )
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3.正弦定理と余弦定理

<余弦定理が使える状況> ・未知のものが1辺だけや1角だけなら、公式そのままで決定できる。完全決定。 ・3辺の長さ→余弦定理から3つの角の余弦がどれも出せる。完全決定・2辺と間の角→余弦定理で残りの辺がわかり、残りの角の余弦もだせる。完全決定(例) 「a=5,b=3,角C=120°のとき、残りの辺と角の余弦」は? c=7となる。 ・2辺と1辺の対角のcosがわかるときは2次方程式になるので2通りありうる。分岐決定(例) 「C=30度、b=√3,c=√7のときのa」は?  角Cはb,cの間でないし、求めたい辺aの対角Aはわからない。しかし、cos30度=√3/2。 cを求めたいわけではないが、cosCの値を使う余弦定理の式をかく。  。  値を代入して、7=a2+3-2a√3・√3/2=a2-3a+3。だから、a2-3a-4=(a-4)(a+1)=0でa=4。 では、どんなときに正弦定理が使えるのか? <正弦定理が使える状況> ・外接円の半径と2角のsin→のこりの角のsinがわかるから、  比例定数(外接円の直径2R)をsinにかけて辺の長さがすべて出る。完全決定。 ・3辺と1角のsin辺に比例させてのこりの角のsinもわかる。完全決定。 ・1辺と2角3角のsinを求めて、sinに比例させてのこりの辺がわかる。完全決定。 ・1辺と両端の角同上。完全決定 ・2辺と1対角、辺に比例させてのこりの対角のsinがわかる。  cosもわかので、つづきは余弦定理で分岐決定(例) 「a=3,c=7,角C=120°のとき、残りの角のcosA,のこりの辺b」は? 。正弦定理で、。 これから、sinとcosの2乗和が1で鋭角なので、 角の対辺の2乗は正弦定理で、 9=b2+49-2b7・13/14=b2-13b+49。b2-13b+40=(b-5)(b-8)=0。b=5,8 (例) 「a=2,b=2√2,角A=30°のとき、残りの角B,C辺b」は? 。 正弦定理で。これから、 B=45°かB=180-45=135°、それぞれ、C=180-(30+45)=105°かB=180-(30+135)=15°。 角の対辺の2乗は正弦定理で表現できる。  8=c2+4 - 2c・2・(±√2/2) からc2±2√2c-4=0。 (c±√2)2=6。 c=√6±√2(c>0)。 または、  4=8+c2 - 2・2√2c・cos30° からc2-2√6c+4=0。 (c-√6)2=2。 c=√6±√2 結局、(B,C,c)=(45,105,√6+√2),(135,15,√6-√2)。 <どちらも使えない状況> 三角形を決定するということは情報から三角形の作図ができるということです。 数値として決定するには定理を使うが、作図できるかどうかは定理が不要です。 1辺と1角ではだめ、 2辺だけではだめ、 2角だけでも3角でも、sinから辺の比は決まるが、辺の値は決まらない。相似形。
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(例)a=3,b=5,c=7角C=120°のとき、残りの角のsinは? 。 だから、 ちなみにsinとcosの2乗和が1で鋭角だから、
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