4.数の範囲
1.不等式の性質と解法
このページは電子ブック「探求 数学Ⅰ」の一部です。
<不等式の性質>
不等式は同じものを、両辺に対してたしても引いても大小関係は不変。
だから、等式のように移行しても不等号の向きは変わらない。
(例)
不等式は同じ正数で、両辺に対してかけてもわっても大小関係は不変。
(例)
不等式は同じ負数で、両辺に対して右辺かけてもわっても、大小関係は反転する。
(例)
<不等式の解法>
1次方程式のように、移項によって、1次の項と定数項を別の辺にまとめる。
1次方程式1のように1次の項の係数で定数項をわる。
割る数が負数のときは符号の向きを反転させる。
(例)
2.連立不等式
<連立不等式>
不等式をバラバラに解く。そのあとで、解の範囲の共通部分を不等式で表す。
=があるときは以上以下になる。数直線では境目の数の位置に●をつける。
=がないときは、大なりか小なりとなる。数直線では数の位置に◯をつける。
2つの不等号が同じときは、共通部分も同じ向きになる。
2つの不等号の向きが反対のときは、共通部分があれば◯や●の間にはさまれる範囲になる。
(例)
とならば、
(例)
とならば、なし
(例)
と
★解の共有範囲をイメージしよう。
★絶対値の不等式を視覚化してみよう。
3。絶対値と不等号
<絶対値記号>
・絶対値xをはずすには、xが非負ならx,xが負ならーx(ーxが正の数を表す)
見かけにまどわされない。
(例)「|ーx|=5の解」
-xが正のときは-x=5からx=−5。-xが負なら-(-x)=5。x=5
(別解)ーx=±5となる。x=±5。
・絶対値記号をはずすときのxと0の比較式が絶対値記号をはずしたあとの等式・不等式の解を限定する条件になる。
・絶対値記号のある方程式・不等式のグラフは絶対値記号の中の式の値が負になる部分をx軸に
線対称移動して折り返した図形になる。直線ならば折れ線になる。
(例)「|x+2|+|x-1|=5の解」
x+2=A,x-1=Bとおくと、A非負はx−2以上と同値、B非負はx1以上と同値。
ABともに非負ならx1以上のときで、x+2+x−1=5 2x=4。x=2は1以上でOK.
ABともに負ならx−2未満でx+2+x−1=−5 2x=−6。x=−3は−2未満でOK.
A非負B負ならx−2以上1未満でx+2+1−x=5は不可。
A負B非負ならーx−2+x−1=5も不可。まとめ、x=2か−3。
(別解)グラフの交点で解く。
y=x+2とy=1-xの交点は(-0.5, 1.5)だから、グラフの和は1.5+1.5=3
y= |x+2|のグラフとy=|x-1|のグラフは区間x=[-2,1]の間で、0+|-2-1=3から|1+2|+0=3と一定。
それ以外の区間はy=x+2+x-1=2x-3か、y=-x-2+1-x=-2x-1。y=5との交点は
2x-3=5からx=4か、-2x-1=5からx=-3。
・絶対値記号の中の式を0との比較で場合わけしたときの場合は排反なので、場合ごとの解は合併する。
共通部分を求めても仕方ない。