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21.積分と面積

1.定積分と面積

<定積分の図形的意味> もとの関数f(x)をxがa以上b以下という定まった区間で積分することを定積分[definite integral]というのでした。 定積分は代入値の差だね。 不定積分関数をF(x)+Cとするとき、  と不定積分の差でCが消える。 ※不定積分のCは一意的ではないけれど、「C」だと1つに仮定すれば同じになるから消える。 ※aが小、bが大という大小順で通常使う。 a以上b以下区間でf(x)が非負ならば 定積分はx=aとx=bとy=0とy=f(x)の4つのグラフにかこまれた領域Aの面積S(A)と等しい。 (理由) (由来から)  丸い図形Aの面積Sを求めたい。  Aを底(bottom)から頂上(top)まで、水平に切り刻む。  超薄切りにすると、1つ1つはひものような長方形のような形になる。  薄切りの長方形のようなものの1つの面積をdSとする。  これをbottomからtopまでSumUp(たしあげる)のSを   上下に引き伸ばしてかいた記号が∫(インテグラル)。    (領域Aの分割和の極限として)   関数f(x)の値が非負ならば、  領域Aをx=aからy=bまで、垂直に切り刻む。  超薄切りにすると、1つ1つはひものような長方形のような形になる。  薄切りの長方形のようなものの横長を△xとすると、たて長はそのつどf(x)となる。  だから、1つの面積ΔS=f(x)・△xとなるね。  これをx=aからx=bまでたしあげると、∑ΔS=∑(たて・よこ)=∑(f(x)・Δx)となる。  この切り刻みを無限に細かくする極限値は、  lim∑ΔS=lim∑f(x)・Δx= となるでしょう。  つまり、f(x)=たて長、dx=よこ長で、ひも=長方形ということにしちゃう。すると、  「ひもの面積dS=f(x)dx=f(x)・dx=たて×よこ」という意味になる。  逆にいうと、定積分は∑計算式の極限としてでも求められるということだ。 これが、区分求積法    ※区切ったときの左側積和(上和)と右側積和(下和)からの挟み撃ちによる収束証明は略。 

★定積分は短冊の合計面積

2.定積分と面積(つづき)

<S(A)=F(b)-F(a)> (実験しよう)  関数f(x)=2x+1の不定積分をF(x)=x2+x(簡単のためにC=0)としよう。  1以上4以下の区間でf(x)の定積分を求める。x=1,x=4,y=f(x),y=0がかこむ領域をSとする。 ・n=3の場合、短冊のよこ長は(4-1)/3=1で、{f(1),f(2),(3),f(4)}={3,5,7,9}だから、 中点値をたてにすると,{(3+5)/2,(5+7)/2,(7+9)/2}=4,6,8で、 S(A)は4×1+6×1+8×1=18で近似できる。8+6+4=18。 一方で、F(4)-F(1)=(42+4)-(12+1)=20-2=18となる。 F(4)-F(1)=(F(4)-F(3))+(F(3)-F(2))+(F(2)-F(1))=(20-12)+(12-6)+(6-2)=8+6+4=18 ・n=6の場合、よこ長=3/6=1/2で、{f(1.5),f(2.5)f(3.5)}={4,6,8}もデータに加える。 {3,4,5,6,7,8,9}の中間値は{3.5,4.5,5.5,6.5,7.5,8.5}で S(A)=(3.5+4.5+5.5+6.5+7.5+8.5)×1/2=36/2=18。 一方で F(4)-F(1)=18 =(F(4)-F(3.5))+(F(3.5)-F(3))+(F(3)-F(2.5))+(F(2.5)-F(2))+(F(2)-F(1.5))+(F(1.5)-F(1)) =(20-15.75)+(15.75-12)+(12-8.75)+(8.75-6)+(6-3.75)+(3.75-2) =4.25+3.75+3.25+2.75+2.25+1.75 =8.5/2+7.5/2+6.5/2+5.5/2+4.5/2+3.5/2 =(8.5+7.5+6.5+5.5+4.5+3.5)×1/2=36/2=18。 (一般化) F(b)-F(a)は区間のスタートと終わりでの値の差だが、 区間をdxずつ増やしたときのF(x)の増加分の累積でもある。 そのつどのF(x)の増加分を正比例として考えて、 「(傾き)×(増加分x)=(F(x)の微分係数f(x))×幅dx」、つまりf(x)・dxとなる。 だから、面積S(A)=定積分=不定積分値の差F(b)-F(a)となる。 <面積が負になる?> 短冊の面積和の極限としての定積分だったが、 f(x)の値が負になる場合は、上の定義からはたてのf(xi)が負になり面積が負になる。 だから、f(x)がx軸と交わる点cを積分区間に含むときやf(x)が区間ですべて負になる場合、 最終的な面積S(A)が負や0になることもありうる。 面積を負にしたくなかったら、f(x)ではなく、|f(x)|を積分しよう。 途中で上下(大小)が入れ替わることも考えると、 2曲線のf,gにかこまれた面積を求める定積分の式は のように、絶対値記号でくくっておこう。

★S(A)=F(b)-F(a)

★面積が負?

3.パラボラと積分

積分区間や符号の反転は「積分する式=0の解」とつなげて考えよう。 <実験> ・上に凸な放物線とx軸がかこむ図形の面積は (ただし、αよりβは大の実数とする) f(x)=-(x-1)(x-3)=-x2+4x-3とx軸がかこむ面積を求めたいとする。 x軸との交点はf(x)=0の解x=1,3だから、積分区間は(1,3)となるね。 integral(f,1,3)を求めればよい。 = <検証> == = <活用> この公式は、結果として積分関数がx軸の上になるようになれば、2つの2次以下の曲線どうしが 囲む面積を出すのに使える。x軸の交点を小がα、大がβならそのまま使える。 それは、区分求積法で、領域を区切ったときにできる短冊をx軸まで等積移動しても、面積は変わらないから。 (例)「放物線y=x2と直線y=m(x-1)+2でかこまれた面積の最小値」は?    f(x)=x2-mx+m-2=0の2解を小α、大βとすると、解の和m,積がm-2だから、 diff=解の差の2乗=α2-2αβ+β2=和の2乗-4倍の積=m2-4(m-2)=m2-4m+8=(m-2)2+4 S(m)=-integral(f(x),α,β)=1/6(β-α)3=1/6(diff)3/2=1/6((m-2)2+4)3/2 S(m)の最小値はm=2のときで、S(2)=1/6((2-2)2+4)3/2=1/6((4)3/2=8/6=4/3。 (例)「放物線y=x2-1に点(-1,-4)から引いた2接線と放物線が囲む面積」は?    接線をy=m(x+1)-4として、f(x)=x2-1-(m(x+1)-4)=x2-mx-m+3=0が重複解をもつとき接線がある。 D=m2-4(-m+3)=m2+4m-12=(m-2)(m+6)=0から、m=2,-6。2直線の交点は2(x+1)=-6(x+1)からx=-1。    接線の傾きm=2のとき、f(x)=x2-2x+1=(x-1)2=0から、接点のx座標はα=1    接線の傾きm=-6のとき、f(x)=x2+6x+9=(x+3)2=0から、接点のx座標はβ=-3    integral(f,-3,-1)+integral(f,-1,1)= (一般化してみよう)    「正数aのy=ax2+bx+cに点P(p,q)から引いた2接線と放物線が囲む面積」は? 接線をy=m(x-p)+qとして、f(x)=ax2+bx+c-(m(x-p)+q)=ax2+(b-m)x+c+mp-q=0が重複解をもつ。 D=(b-m)2-4a(c+mp-q)=m2-2(b+2ap)m+b2+4a(q-c)=(m-r)(m-s)=0 2接線の傾きm=r,sとなるね。 傾きm=rで、f(x)=ax2+(b-r)x+...=a(x+(b-r)/2a)2=a(x-α)2=0 接点のx座標α=-(b-r)/2a=.....=(r-s)/4a +p    傾きm=sで、f(x)=ax2+(b-s)x+...=a(x+(b-s)/2a)2=a(x-β)2=0 接点のx座標β=.....= (s-r)/4a +p    接点のx座標の和α+β=(r-s)/4a +p+ (s-r)/4a +p=2pだから、p=(α+β)/2    integral(f,α,p)+integral(f,p,β)= =

4.3次以上の曲線と面積

3次以上の曲線でも、 積分区間となる方程式の解と係数の関係や、曲線の対称性などから、 面積を解の式で表したりすることができるはずだね。 (例)「f(x)=x3-6x2+9x、g(x)=mx(mは0と9の間)でf,gが囲む2つの図形の面積が等しくなるm」は? P=f-g=x3-6x2+(9-m)x=x(x2-6x+(9-m))=0は3実数解小さい順にx=0, α, βをもつ。 x2-6x+(9-m)=0の2つの解がα=3-√m, β=3+√m。だから、-β2+6β=(9-m)(★) fのグラフが点(α,g(x))を中心に2つの図形は合同だから、区間[0,β]でのfとgの定積分は等しい。 integral(f,0,β)-integral(g,0,β)=integral(f-g, 0,β)=integral(P, 0,β)=0となるはず。 ★から、2(9-m)=-2β2+12β を代入し、4Z= β≠0から、β=4。だから、9-m=-16+24=8。m=1。 (例)「f(x)=x3-3xの点(2,2)での接線とfが囲む面積」は? f'(x)=3x2-3から接線の傾きはf'(2)=9で、接線はy=9(x-2)+2=9x-16。  P(x)=f-g=x3-3x-(9x-16)=x3-12x+16=0 はx=2で接することから重複解になる。係数比較で16÷(2×2)=4から、もう一つの因数は(x+4)となり、p(x)=(x-2)2(x+4) 積分区間は[-4,2]ではfがgより上にある。integral[P,-4,2]=[1/4x4-6x2+16x][-4,2] =1/4(24-(-4)4)-6(22-(-4)2)+16(2-(-4))=1/4(16-256)-6(4-16)+16(6)=-60+72+96=108。 (一般化すると) 「aが正の3次曲線y=ax3+bx2+cx+dの点A(α,f(α))での接線とfが囲む面積」は? f'(x)=3ax2+2bx+c。f'(p)=3ap2+2bp+c=mとおく。交わる点をB(β,f(β))とする。  接線はy=g(x)=f'(p)(x-p)+f(p)=mx+f(p)-pm。  P(x)=g-f=(mx+f(p)-pm) -(ax3+bx2+cx+d) =-a(x-α)2(x-β)   積分区間は[α,β]ではgがfより上にある。 integral[P,α,β]= (部分積分によって) (別計算方法) = (例)「aが正の4次曲線y=f(x)の点A(α,f(α)),B(β,f(β))での接線とfが囲む面積」は? 接線はy=g(x)=mx+nで、接点のx=α,βはP(x)=f-g=(x-α)2(x-β)2の解で、積分区間は[α,β] integral[P,α,β]=