7.2次関数の式とグラフの関係
★2次関数の基本形
★2次関数の基本形2
1.2次関数の基本形
このページは電子ブック「探求 数学Ⅰ」の一部です。
<頂点が原点(0,0)のグラフの特徴>
y=x2の対応表を作ると、x=1,2,3のとき、x2=1,4,9となり、
xの増加にともない急激に大きくなる。
x=2は1と3の平均だが、y=4は1と9の平均の5より少ない。
だから、グラフは下がふくらむ[下に凸]の曲線になる。
x=+sのときと、x=-sのときでは、yは同じs2の値になるから、
[左右対称(y軸で対称)]になる。
y軸(y軸の方程式はx=0)が[対称軸]になっている。
(例)で、
36<(25+49)÷2=37よりf(x)は線分(5,25)(7,49)より下を通る。
<2次の係数の大小とグラフ>
yはxの関数なので、y=f(x)とか、y=g(x)などのようにかくことがある。
f,gが関数の名前のように使える。f(x)=ax2とg(x)=bx2のグラフで、0<a<bとする。
0<f(x)<g(x)(xが非ゼロ)。
y座標ffグラフの上にグラフgにある。
(例)なら、原点でくっつき、それ以外はfはgより上にある。
<2次の係数の正負とグラフ>
y=f(x)=ax2とy=g(x)=-ax2のグラフで、f(1)=a,g(1)=-aとなる。
だから、-f(1)=g(1)となる。
xが0以外ならいつでも-f(x)=g(x)だから、
fとgは上下逆(y軸方向)にある。x軸について対称とも言える。
(例)
★2次関数の標準形
2.2次関数の標準形と一般形
<標準形の頂点は(p,q)>
頂点が原点0(0,0)からP(p,q)に平行移動したグラフを考える。
y=f(x)上にある任意の点Q(x,y)が、R(L,M)に平行移動すれば、
L=x+p,M=y+qとなる。
逆算してx=L-p,y=M-q。これをy=f(x)に代入すると、
L、Mの間にM-q=f(L-p)という関係ができる。
だから、y=f(x)=x2を(1,2)に平行移動したグラフはM−2=f(L-1)=(L-1)2となる。
(L,M)のLはx座標、Mはy座標という意味がわかるように書き直すと、y-2=(x−1)2
一般に、グラフy=ax2の頂点を原点から点(p,q)に平行移動したグラフは
y-q=a(x-p)2、y=a(x-p)2+qとなる。これを標準形という。
<標準形の軸はx=p>
頂点が原点0(0,0)のグラフは原点を通るy軸(x=0)で左右対称だった。
頂点が点P(p,q)のグラフは点Pを通りy軸に平行な直線(x=p)で左右対称になる。
だから、対称軸という意味から、簡単にx=pをグラフの[軸]という。
<一般形と対称移動>
y-q=a(x-p)2を展開してyについて解くと、y=ax2+bx+cの形になる。
これを一般形という。
グラフをx軸(y=0)について対称移動すると頂点(p,q)は(p,-q)に移動し
グラフ上の点(x,y)は(x,-y)に移動する。
だから、式はy=-(ax2+bx+c)=-ax2-bx-cになる。すべての係数の符号が反転する。
グラフをy軸(x=0)について対称移動すると頂点(p,q)は(-p,q)に移動し
グラフ上の点(x,y)は(-x,y)に移動する。
だから、式はy=-a(-x)2+b(-x)+c=ax2-bx+cとなる。
1次の係数だけ符号が反転する。
グラフをx軸、y軸について続けて対称移動すると、
原点について対称移動する。
頂点(p,q)は(p,q)に移動し、グラフ上の点(x,y)は(-x,-y)に移動する。
すべての係数を反転させてから、1次の係数を反転させることになるから、
結果として、2次の項と定数項の符号が反転する。y=-ax2+bx-cとなる。
<一般形の平方完成>
一般形y=ax2+bx+cは標準形y=a(x-p)2+qに変形すると、
一般形の定数項cからy切片はすぐわかる。
一般形を標準形に変形すると、さらに頂点(p,q)、軸x=pの情報が増やせるね。
この変形を平方完成という。
平方完成という変形は、解の公式を導くときとほぼ同じで、
=0という形からの定数移項処理がないだけ。
(手順1)定数項以外をaでくくる。1次の項はb/aになる。
(手順2)1次の項を÷2して、2乗の展開式に直す。
カッコ2乗の中はx+b/2aとなり、これがx-pに相当する。
カッコ2乗の外にもともとあるcの他に-(b/2a)²を追加する。
(手順3)カッコ2乗の外の定数部分c -(b/2a)2をまとめた値が+qに相当する。
(手順4)グラフを書くときは、aの正負、線対称の軸がx=p, 頂点(p,q)、
y切片y=c、頂点のまわりはなだらかに円をかくような曲線、などを意識するとよい。