オイラーの等式
1.無限大と無限小
このワークシートはMath by Codeの一部です。
<ド・モアブルと無限>
オイラーのすごいところは、無限大と無限小を自在に活用した想像力だ。
ド・モアブルの定理(cosθ± i sinθ)n=cos(nθ)± i sin(nθ) を大胆に利用する。
(cosθ+ i sinθ)n+(cosθ- i sinθ)n=2cos(n θ)
(cosθ+ i sinθ)n -(cosθ- i sinθ)n=2i sin(n θ)
はすぐにわかる。
ここで(実数 )とおくと、nを無限大にするとθは無限小になる。
すると、θを約0と見ることができるから、cosθ=1, sinθ=θ=x/nとなり、
(1+ i x/n)n+(1― i x/n)n=2cos(x)
(1+ i x/n)n -(1― i x/n)n=2i sin(x)
一方で、nを無限大にすると、
であることもオイラーは見出していたから、
2式の辺ごとの和は
だから、
これをオイラー公式(formula)と呼ぼう。
複素数の指数関数が、三角関数を成分とする複素数と等しいというすごい式だ。
eix=cos(x) +i sin(x)
ここで、x=πを代入しよう。
eiπ=-1
これが、オイラー等式(Identity)という素晴らしい式だね。
質問:オイラー等式を見える化するにはどうしたらいいですか。
Euler(x)= eix
という関数を作ります。
この式にx=pi つまり、πを入れると、
複素数の-1+0 i が返ります。
級数展開で近似
マクローリン級数展開で近似
質問:オイラー等式を見える化するにはどうしたらいいですか。
Euler(x)= eix
という関数を作ります。
この式にx=pi つまり、πを入れると、
複素数の-1+0 i が返ります。
オイラー等式
2.オイラーの公式はゴールではない
オイラーの公式があれば、x=πを代入するだけで、オイラー等式ができた。
オイラーの公式をグラフにすると、x=πのときに、グラフは-1+0iを通る。
オイラー等式はゴールにする場合もある。
しかし、オイラー公式はゴールではない。
むしろ、いろいろと使い勝手がよい。
質問:オイラー公式の使い道はどんなものがあるかを考えてみましょう。
オイラー公式の指数関数部分のx=a+bと加算を代入してみる。
すると、三角関数もx=a+bになるから、三角関数の加法になる。
一方の指数関数部分の加法だから、指数法則によって乗法に分解できるね。
そして、分解された指数関数も三角関数で表現できる。
式を使って表現すると、
ただの指数法則でしかないようでも、
=cos(a)cos(b)-sin(a)sin(b) + i (sin(a) cos(b)+ cos(a) sin(b))
展開した虚部がsin、実部がcosの加法定理。
つまり、オイラー公式を知っていれば、sin,cosの加法定理が思い出させてくれるということだね。
すばらしい!