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20.不定積分と定積分

1.不定積分は微分の逆演算

<積分の歴史をざっくりと> 積分は主に曲線がかこむ面積を求める技術です。面積だけでなく、体積・曲線の長さの まさに、計算[calculation]の技術として、古代からありました。 微分とは無関係に、古代ギリシャからあったのです。アルキメデスが独自に発展させました。 その方法とは、曲線に接する三角形をかく、スキマにも三角形をかく、それを繰り返す。 取り尽くし法[method of exhaustion]とも言われるものです。 無限でなはないにしろ、曲線のかこむ面積を、三角形の面積の合計で近似するという発想ですね。 その後、 デカルトは正葉線という曲線が作る面積を出す方法を作り出した。 ニュートンは微積分の記号ではなく、「無限級数」を使って面積、接線などの曲線の問題を図形的に解いた。 ライプニッツは今使われるようになった「微分・積分の記号dx,dy,∫など」を使って問題を解いた。 オイラー・フェルマーの時代になると微分、積分、無限級数が数学の多様なテーマにつながっていき、驚異的な進化をみせるが、まだ、無限大、無限小を前提にしていた。 それから、コーシーとリーマンなどが数学の集合論的な基礎づけにより、現密な「微積分学」という研究分野に統合されました。リーマンは曲線をたてに刻んで、かこむ面積を、刻んでできる長方形の面積の合計でだす、リーマン積分を作った。高校で学ぶのはリーマン積分。 たとえば、円錐の体積は定積分を使うと簡単だが、無限級数の和で求めるのは少し大変だ。 (例)半径r、高さhの円錐の体積は高さをn等分して、うすい円柱の積み重ねとして見る。  外接円柱群でやると、半径はr/nの倍数で、頂点からk番目の半径はk(r/n)になる。 上からk番目の体積の数列は、π(k(r/n))2・h/n=Ck2となる。(C=πr2h/n3) V(n)= ∑Ck2=C∑k2=C・n(n+1)(2n+1)/6=πr2h/n3 ・n(n+1)(2n+1)/6 =πr2h/6・2n(n+1)(n+1/2)/n3=1/3・πr2h・1(1+1/n)(1+1/2n) limV(n)(n→∞)=1/3・πr2h・1(1+0)(1+0)=1/3・πr2h・1=πr2h/3 無限という発想がないと、∑計算でも正確には求められないことがわかる。 <不定積分>  不定積分(逆微分、反微分)[Antidifferentiation、backward differentiation]は微分の反対、逆の操作。  F'(x)=f(x) ⇔ ∫f(x)dx=F(x)+C (積分定数)  F(x)を原始関数(antiderivative)と読んだりします。  だから、 (積分して微分するともとに戻る!微積分の基本定理)    微分したあとの関数は次数Nを定数Nを係数としてかけて、次数がN-1=nになった。  これをもとに戻すには、次数n=N-1を次数N=n+1にもとす。係数をN=n+1で割る。  つまり、次数nを1増やして係数を割って、指数も1増やす。 ∫xndx=1/(n+1)∫xn+1+C (べき乗単項式ルール Power Rule) ∫(f+g)dx=∫fdx+∫gdx, ∫k・fdx=k∫fdx (和、差、倍の線形ルール

★級数で円錐の体積

2.定積分は差

<定積分とは> もとの関数f(x)をxがa以上b以下という定まった区間で積分することを 定積分(確定的な集積、統合)[definite integration,integral]という。 定積分は代入値の差である。 不定積分関数をF(x)+Cとするとき、  と不定積分の差でCが消える。 aが小、bが大という大小順で通常使う。 bはbigのbと覚えたり、定積分はF(大)ーF(小)とか、F(右)ーF(左) と覚えても良い。 <定積分は差である> 線形ルールはもちろん、不定積分と同じく使える。 「定積分は積分区間値の差だ」と考えてみると、 a-a=0から a-b=-(b-a)から区間の大小を逆にしても意味はあるが、大小、左右を逆に入れると負の数になる。 a-b=a-c+c-bから、 <微積分の基本定理> 積分定数に着目する。 積分区間が定数ならば、積分値は定数になる(定数) 積分区間に変数があると、積分値はtをxにしただけの関数になる。(微積分の基本定理) (例)次の等式をみたす関数f(x)は?  f(x)=  積分区間が定数なので、とおける。  f(x)=3x2+cx+1となり、  したがって、c=4となるから、f(x)= (例)次の等式をみたす関数f(x)は?  f(x)=  積分区間が定数なので、とおける。  f(x)=x+ax+b+1=(a+1)x+b+1となり、 a,bを解くと、a=-10/13,b=-8/13。 したがって、f(x)= (例)g(1)=8であり、次の等式を満たす関数g(x)と定数kを求めよう。    微積分の基本定理に、積分区間に変数と定数をもつ不定積分を微分すると、tをxにした関数になる。  両辺を微分する。  (3x+1)g(x)=4g(x)+15x2-6x-9 、g(x)でまとめると、g(x)(3x-3)=3(5x2-2x-3) 3g(x)(x-1)=3(5x+3)(x-1)から、(x-1)(g(x)-(5x+3))=0となる。  xが1でないときg(x)=5x+3だが、g(1)=8からx=1でもg(x)=5x+3となる。  x=1を微分前の式に代入すると、0=4[G(1)-G(k)]+5-3-9-17となる。  G(x)=5/2x2+3xだから、4[(5/2+3)-(5/2k2+3k)]=24。5k2+6k+1=(5k+1)(k+1)=0。 k=-1, -1/5。

3.基本関数の不定積分

<不定積分は逆微分> 証明というよりも、不定積分された関数を微分してもとに戻るかを確認してみよう。 逆微分 ∫(cosx) dx = sinx+C (理由)(sinx+C)'=cosxだから。 ∫(sinx) dx = -cosx+C (理由)(cosx+C)'=-sinxだから,(-cosx)'=-(cosx)'=-(-sinx)=sinx ∫(tanx) dx = −ln|cosx|+C (理由)  z=lny, 真数条件からy=|cosx|>0として、連鎖法則dz/dx=dz/dy ・dy/dxをつかうと、  (ln(|cosx|)+C)'=1/|cosx|・sinx=sinx/cosx=tanxだから ∫(1/x) dx=ln|x|+C (理由)真数条件からxを|x|として、 (ln|x|+C)'=1/xだから、 ∫(ex) dx=ex+C (理由) (ex+C)'=ex だから ∫(ax) dx=ax /lna+C (理由)(ax)'=axlnaと商の微分から、 ( ax /lna+C)'=