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18.微分とグラフ

1.微分と直線

<接線> y=f(x)のグラフ上の点(a,f(a))での接線の方程式 傾きm=f'(a)だから、y=f'(a)(x-a)+f(a)(例)f(x)=x3-3xの接線を次の条件で求めよう。(1) (-2,-2)で接する(2) (2,2)を通る。 m=f'(x)=3x2-3。(1)y=f'(-2)(x+2)-2=(3(-2)2-3)(x+2)-2=9x+16 (2)(a,f(a))が接点なら、接線はy=f'(a)(x-a)+f(a)。 2=f'(a)(2-a)+f(a)がなりたつ。2=(3a2-3)(2-a)+a3-3a 。 -2a3+6a2-8=0。 a3-3a2+4=(a+1)(a2-4a+4)=(a+1)(a-2)2=0 a=2,-1。 a=2のとき、f(a)=23-3・2=2。f'(2)=3・22-3=9。y=9(x-2)+2=9x-16。 a=-1のとき、f(-1)=-1+3=2,f'(-1)=0。y=0(x+1)+2=2。y=2。 <平均値の定理> グラフが微分可能(連続して、とがった点がない)ならグラフ上の2点A,Bを通る直線の傾きと同じ傾きの接線が引ける点Cがあり、x座標はCがA,Bの間にある。 正式な言い方では、y=f(x)のグラフが、xがa以上b以下の区間でなめらかにつながっている(微分可能)とき、次の式を満たす実数cが存在する。f'(c)= (cはaとbの間) <法線> y=f(x)のグラフ上の点(a,f(a))での法線の方程式 傾きm=-1/f'(a)だから、y=-1/f'(a)(x-a)+f(a)

2.微分と曲線

曲線の関数を微分することで、曲線の形[shape of curves]を知ることができます。 微分した関数の値が0または未定義になるxを臨界数[critical number]といいます。 臨界数の前後での符号変化によって、曲線の形状がわかります。 <極大・極小> 関数f(x)について、 導関数f'(x)の値が0になるxの値をaとする。 x=aでf'(x)の値が(ー)から(+)に変わるとき、f(x)はx=aで減少から増加に転じる。 だから、x=aはその付近では谷底になる。別の場所にもっと深い谷があるかもしれない。 全体の中の最小とは限らないので、極小値[local or relative minimum]という。 反対の場合、 x=aでf'(x)の値が(+)から(ー)に変わるとき、f(x)はx=aで増加から減少に転じる。 だから、x=aはその付近では山頂になる。別の場所にもっと高い山があるかもしれない。 全体の中の最大とは限らないので、極大値[local or relative maximum]という。 <どちらに凸か?> 2次の導関数f''(x)>0の区間では、y=f(x)のグラフは下に凸になる。傾きが増加傾向ということ。 2次の導関数f''(x)<0の区間では、y=f(x)のグラフは上に凸になる。傾きが下降傾向ということ。 2次の導関数f''(x)=0のy=f(x)のグラフは変曲点といい、符号が変化する。 <N次関数の極大・極小> 2次関数は頂点で最大か最小になった。 ・3次関数f(x)の導関数がf'(x)=g(x)=a(x-p)(x-q)(pが小、qが大)のとき、 aが正なら、p,qを境に、+、ー、+となる。 ということはx=pで極大、x=qで極小となる。 aが負なら、p,qを境に、ー、+、ーとなる。 ということはx=pで極小、x=qで極大となる。 ・3次関数f(x)の導関数がf'(x)=g(x)=a(x-p)2ゼロ以上のとき、 x=pで0で、pを境に+、+が続くので、極大でも極小でもない。 この点を境に上に凸と下に凸が入れ替わる。変曲点[inflection point]という。 この点で交差接線がひける。 もう1回微分すると、f''(x)=2a(x-p)となるので、x=0となる。x=pの前後で符号が変わる。 ・3次関数f(x)の導関数がf'(x)=g(x)が2つの虚数解をもつときはすべて正かすべて負。 f(x)は単調増加か単調減少。 (例)f(x)=x3+ax2+bx+15=0がx=3で極小値-12をもつようなa,bの値と極大値は?  f'(x)=3x2+2ax+b=0で、f'(3)=27+6a+b=0、f(3)=27+9a+3b+15=0。これらから、a=-3.b=-9。  f'(x)=3x2-6x-9=3(x+1)(x-3)=0。x=-1。極大値f(-1)=-1-3+9+15=20。 ・分数次関数でもn乗微分ルールを使ってみよう。 f(x)=2x-3x2/3+4, f'(x)=2 -2x-1/3= となり、x=0で未定義[undefined]となるが、 0を境に(+、ー)と入れ替わる。 傾きはxが負なら2より大で正、傾きはxが正なら1までは負でx=1で0になるがxが1より大で正になる。 さらに微分すると、f''(x)=2/3x-4/3= f''(1)=2/3>0だから、x=1から増加に転じる。 全体の形は、f(x)はxが負で増加するが、x=0を境に減少しx=1が極小値となる。 ・高次関数でもn乗微分ルールを使ってみよう。 f(x)=3x5- 20x3 f(-x)=-3x5+20x3=-f(-x)から、原点対称になる。 f'(x)=15x4-60x2=15x2(x2-4)=0の解はx=0,2,-2。 f(-3)>0,f(-1)<0,f(1)=f(-1)<0,f(3)=f(-3)>0から、極値はf(2)=-64,f(-2)=64。 f''(x)=60x3-120x=60x(x2-2)=0の解はx=0,√2,-√2。(0,0)は変曲点。

★分数次関数の極値は?

★高次関数の形は?

3.多項式以外の関数の微分

<極限値> x→0のときのsinx/xの極限値=1 (理由) 角Aがx(ラジアン)で、AB=AC=1の二等辺三角形ABCをかくと弧BC=xとなる。 x>0のとき、 角Aが共通でBが直角の直角三角形ABDをかく。 △ABCの面積<扇形の面積<△ABDの面積となるので、1/2・1・1sinx<1/2・1・x<1/2・1・tanx 式変形にようって、sinx/xは、cosxと1に挟まれる。そしてx→0のときのcosxの極限値=1。 だから、挟み撃ちでx→0のときのsinx/xの極限値=1 x<0のときは、t=-xなどとおいて、式変形で証明できる。 x→0のとき、ln(1+x)/xの極限値=1 (理由)eの定義から、x→0のとき(1+x)1/xの極限=e 辺々自然対数ln(=loge)をとると、ln(e)=1で、limはlnの外に出せるので、 x→0のとき、(1+x)1/xの極限値のln=ln(1+x)1/xの極限値=ln(1+x)/xの極限値=1 x→0のとき、(ex-1)/xの極限値=1 (理由) 上記の「x→0のときln(1+x)/x=1」を この式の1+x=etとおくと、t=ln(1+x)=ln(et)で、x=et-1となり、x→0なら、t→0。 ln(1+x)/x=ln(et)/(et-1)=t/(et-1)の極限値=1。逆数にして(et-1)/tの極限値=1 <三角関数> (sinx)'=cosx (理由)sinAB和-sinAB差=2sin大Acos小Bの和差算(sin和の展開の前半がかぶる)で、 差の商のh倍=sin(x+h)-sinx=2sin((x+h)+x)/2)cos((x+h)-x)/2) = 導関数= (cosx)'=-sinx (理由)cosAB和-cosAB差=-2sin大Asin小Bの和差算(cos和の展開の後半がかぶる)で、 差の商のh倍=cos(x+h)-cosx=-2sin((x+h)+x)/2)sin((x+h)-x)/2) = 導関数= (tanx)′=1/cos2x (理由)商の微分公式(f/g)'=(f'g-fg')/g2  (sinx/cosx)'=(sinx'cosx-sinxcosx')/cosx2=(cos2x+sin2x)/cos2xから。 <指数対数関数> (ex)′=ex (理由) 差の商のh倍=e(x+h)-ex=ex(eh-1) 導関数= (lnx)′=1/x t=h/xとおくと、h=xt 差の商のh倍=ln(x+h)-ln(x)=ln(1+h/x) 導関数= (logax)′=1/(x lna) 1/lnaは定数だから、 (logax)'=(lnx/lna)'=1/lna・(lnx)'=1/lna・1/x=1/(x lna)