22.微分と積分の活用
1.面積から体積へ
<体積も積分で>
(イメージ)
物体Aの体積Vを求めたい。
Aを底(bottom)から頂上(top)まで、水平に切り刻む。
超薄切りにすると1つ1つは板状なる。
薄切りの1つの板の体積をdVとする。
これをbottomからtopまでSumUp(たしあげる)すると、
(計算法)
y=f(x)の[a,b]区間でx軸の周りに回転してできる立体Aの体積V(A)は
厚みdxでの座標xの部分の回転体は円柱になり、dV=πf(x)2から、
integral(πf(x)2,a,b)=
同様にx=g(y)のy軸で[a,b]区間でのy軸を回転軸にした体積V2
integral(πf(x)2,a,b)= (積分変数に注意)
(例)半径r、高さhの円柱、円錐の体積は?
積分区間[0,h]、
円柱の底面からxはなれた断面円の半径の関数はf(x)=r。integral(πr2,0,h)=π(r2h)=πr2h
円錐の頂点からxはなれた断面円の半径の関数f(x)はf(h)=r,f(0)=0から、f(x)=r/h・x。
integral(π(r/h・x)2,0,h)=π(r/h)2・1/3・h3=1/3πr2h
(例)半径rの球の体積は?
積分区間[0,r]
原点中心の半球の原点からxはなれた断面円の半径の関数はf(x)=√(r2-x2)。f2(x)=r2-x2
球の体積は2・integral(πf2(x),0,r)=2π integral(r2-x2,0,r)=2π r2r-1/3r3=2・(1-1/3)r3=4/3・r3
★単振動を、微分してを感じよう
2.物理への応用
<自由落下>
自由落下は加速度をα(t)=gとすると、
落下してからt秒後の速度はv(t)=vt。
t秒後の落下距離はy(t)=integral(v,0,t)=[1/2vt2][0,t]=1/2vt2。
y'=v , v'= αという関係がある。
<等速円運動>
ばねにつるしたおもりの上下往復の運動は、等速円運動を真横からみた振動としてみること
ができて、これを単振動という。
単振動の振幅は等速円運動の半径と同じでR(m)としよう。
1周の周期をT(秒)、角速度をω(rad/秒)、1秒間の振動回数、振動数(Frequency)(Hz)をfとしよう。
1円周=2πR、周期=1周にかかる時間T=2πR/ω。振動数=1秒の周回数=1÷T=1/T=ω/2πR。
t秒後の回転角はωtなので、
t秒後の円運動座標はP(Rcos(ωt), Rsin(ωt))となる。
だから、t秒後の単振動の変位x=y(P)=Rsin(ωt)
速度は(Rsin(ωt))'=Rcos(ωt))・ω=Rω・cos(ωt)
加速度は(Rω・cos(ωt))'=-Rω・sin(ωt)・ω=-ω2Rsinωt=-ω2x
3.積分と微分の合流(部分積分)
<積の微分から部分積分へ>
小文字が導関数。逆微分をインテグラルの頭文字アイでかくとl(f)=F,l(g)=G。
微分公式(FG)'=fG+Fgを変形する。Fg=(FG)'-fG
両方の辺を積分して、I(Fg)=FG-I(fG)を部分積分公式という。
次の3ステップでやってみよう。
(式の見方)FとGはもともと対等な式なので、Fの導関数fが簡単になるように選ぶ。
(手順1) g部分だけ積分してFGとする。
(手順2) それから、そのF部分だけ微分したfGの積分をひく。
<一次式をFとするとfは定数>
(例)l((x+2)sinx)
F,g=x+2,sinxとすると、f,G=1,-cosx。
I(Fg)=FG-I(fG)=(x+2)(-sinx)-l(-sinx)=-(x+2)sinx+cosx+C
(例)l((x)ex)
F,g=x,exとすると、f,G=1,ex。
I(Fg)=FG-I(fG)=(x)(ex)-l(ex)=xex-ex+C
<lnxをFとするとfは1/x>
(例)l((x)lnx)
F,g=lnx,xとすると、f,G=1/x,1/2x2。
I(Fg)=FG-I(fG)=(lnx)(1/2x2)-l(1/x・1/2x2)=lnx/2・x2-1/4x2+C
(例)l((4x+1)lnx)
F,g=lnx,4x+1とすると、f,G=1/x,2x2+x。
I(Fg)=FG-I(fG)=(lnx)(2x2+x)-l(1/x・(2x2+x))
=(lnx)(2x2+x)-l(2x+1)=(lnx)(2x2+x)-x2-x+C
<指数関数×三角関数は、部分積分を2回してからまとめる>
(例)P=I(exsinx)
Q=I(excosx)とペアになるものをおく。
F=f=exを使う。I(sinx)=-cosx、l(cosx)=sinx
P=l(exsinx)=ex(-cosx)-I(ex(-cosx))=-excosx+Q
Q=l(excosx)=ex(sinx)-I(ex(sinx))=exsinx-P
まとめるとP=-excosx+(exsinx-P)=ex(sinx-cosx)-P
だから、不定積分P=ex(sinx-cosx)/2
(例)P=I(exsinx)
Q=I(excosx)とペアになるものをおく。
F=f=exを使う。I(sinx)=-cosx、l(cosx)=sinx
P=l(exsinx)=ex(-cosx)-I(ex(-cosx))=-excosx+Q
Q=l(excosx)=ex(sinx)-I(ex(sinx))=exsinx-P
まとめるとP=-excosx+(exsinx-P)=ex(sinx-cosx)-P
だから、不定積分P=ex(sinx-cosx)/2
4.微分と積分の合流(置換積分)
<合成微分から置換積分へ>
小文字が導関数。逆微分をインテグラルの頭文字アイでかくとl(f)=F,l(g)=G。
x=G(t)のとき、F(G(t))=F(x)だから、
dF/dt=dF/dG・dG/dtから、{F(G(t)}′=F'(x)g(t)
両方の辺を積分して、
F(x)+C=∫f(x)g(t)dt
左辺は∫f(x)dxだから、∫f(x)dx=∫f(G(t))g(t)dt次の3ステップでやってみよう。
(手順1)積分変数xをパラメータtを使って、x=G(t)と表し、導関数g(t)を求める。
(手順2)x==>G(t)、dx==>g(t)dt と置換して積分する。
<√部分をtとおき、xをtの式でおきかえる>
(例)不定積分∫x/√(x−1)dxは?
f(x)=x/√(x−1)で、√(x−1)=tとおくと、t2=x-1だから、x=G(t)=t2+1,g(t)=2t。
x==>t2+1, dx==>2tdt におきかえる。
∫f(x)dx=∫x/√(x−1)dxとして、
∫f(G(t))g(t)dt=∫f(t2+1)2tdt=∫(t2+1)/t・2t)dt=2∫(t2+1) dt
=2(1/3t3+1)=2/3(t3+t)=>2/3((x-1)3/2+(x-1)1/2)+C
(例)不定積分∫x√(x+1)dxは?
f(x)=x√(x+1)で、√(x+1)=tとおくと、t2=x+1だから、x=G(t)=t2-1,g(t)=2t。
x==>t2-1, dx==>2tdt におきかえる。
∫f(x)dx=∫x√(x+1)dxとして、
=∫f(G(t))g(t)dt=∫f(t2-1)2tdt=∫(t2-1)t・2t)dt=2∫(t4-t2) dt
=2(1/5t5-1/3t3)=2(1/5t5-1/3t3)=>2/5(x+1)5/2-2/3(x+1)3/2+C
(例)不定積分∫x√(x2+1)dxは?
f(x)=x√(x2+1)で、√(x2+1)=tとおくと、t2=x2+1だから、x=G(t)=√(t2-1),
g(t)=1/2・/√(t2-1)・2t=t/√(t2-1)。
x==>√(t2-1), dx==>t/√(t2-1)dt におきかえる。
∫f(x)dx=∫x√(x2+1)dxとして、
=∫f(G(t))g(t)dt=∫√(t2-1) t ・t/√(t2-1)dt=∫t2dt=1/3t3 ==>1/3(x2+1)3/2+C
(例)不定積分∫(x+2)√(x+1)dxは?
f(x)=(x+2)√(x+1)で、√(x+1)=tとおくと、t2=x+1だから、x=G(t)=t2-1,g(t)=2t。
x==>t2-1, dx==>2tdt におきかえる。
∫f(x)dx=∫(x+2)√(x+1)dxとして、
=∫f(G(t))g(t)dt=∫f(t2-1)2tdt=∫(t2-1+2)t・2t)dt=2∫(t4+t2) dt
=2(1/5t5+1/3t3)=2(1/5t5+1/3t3)=>2/5(x+1)5/2+2/3(x+1)3/2+C
<sinx=tとおき、cosxdxをdtにおきかえる>
(例)不定積分∫(sin2x)cosx dxは?
置換積分のxとtを入れ替えて、式を逆から見る。
t=G(x)=sin(x)とおくと、g(x)=cos(x)。 cos(x)dx==>dtにおきかえる。f(t)=t2
∫f(G(x))g(x)dx=∫(sinx)2cos(x)dxとして、
=∫f(t)dt=∫t2dt=1/3t3=>1/3sin3x+C
(例)不定積分∫(1/cosx) dxは?
置換積分のxとtを入れ替えて、式を逆から見る。
∫(cosx/cos2x) dx=∫(cosx/(1−sin2x)) dx
sin(x)=tとおくと、g(x)=cos(x)。cos(x)dx==>dtにおきかえる。f(t)=1/t2
∫f(G(x))g(x)dx=∫1/(1-sin2x)・cos(x)dxとして、
=∫f(t)dt=∫1/(1-t2)dt=
=