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14.指数関数

1.指数法則と数の拡張

<指数法則と指数関数> 1以外の正の数aを定数とする。aを底(base)という xを数のaの右肩にかいて、aをx個かけ算することを指す数(指数、index)として使う。 xからax(aのx乗)を対応させる関数を指数関数(Exponetial、Power)という。 y=pow(a,x)=ax xの定義域を正の整数とするとき、以下の指数法則が成り立つ。 1.am×an=a(m+n)  関数形式ではpow(a,m)×pow(a,n)=pow(a,m+n) 2.am/an=a(m-n)  関数形式ではpow(a,m)/pow(a,n)=pow(a,m-n) 3.(am)n=am・n 関数形式ではpow(pow(a,m),n)=pow(a,m・n) (例)a3a2=a5 ,a3/a2=a1, (a3)2=a3a3=a6 <指数を負の整数へ> 指数法則2番目で、 m=nのときを考えてみよう。 am/am=1となるが、am/am=a(m-m)=a0だから、a0=1という法則ができる。 関数形式では、pow(a,0)=1となる。グラフy=ax(0,1)を通る。 さらにm=n-1のときを考える。 am/an=a(m-n)=a(-1)。分数にしてamで約分すると、am/an=1/aとなる。a-1=1/aという法則ができる。 さらに、m=n-kにすれば、a-k=1/akという法則もできる。 指数を負に拡張しても指数法則が成り立つ(証明略) 指数mが負の数でも、amは正のままなので、グラフy=ax値域は正例)100=1, 3-2=1/32,x-1=1/x, x2y-2=(x/y)2  a-2×a-3=a-5a-2/a-4=a(-2+4)=a2 <指数を有理数へ> 指数法則の3番目で、mが分数になる場合を考える。つまり、 (am)n=a1なら、mn=1となり、m=1/nで、nは逆数という法則がきる。 たとえば、x2=(am)2=aとすると、xはaの平方根だから、a1/2=√aとなる。 さらに、xn=(am)n=aとすると、xはaのn乗根だから、a1/n=n√aとなる。 指数を有理数に拡張しても指数法則が成り立つ(証明略) (例)a1/2 a1/3=a5/6 (例)a1/2 /a1/3=a1/6 (例) (例)(a1/2) 3/2=a3

2のマイナス乗は

2の分数乗は

2の無理数乗は

2.指数と大小

<指数と累乗根>  y=ax は単調変化関数なので、aが1より大きければ、xの大小順とyの大小順は同じ。 aが1より小さいと逆転する。 (例) の大小は?   だから、大きい順にならんでいるから、もとも大きい順。 (例) の大小は?   で、底が同じで指数が大きい順にならんでいるから、大きい順。 <指数関数と大小問題> x などをtなどにおきかえた方程式、不等式にすると、t>0という範囲で解くことになる。 (例)2x+22-x=5 の解は?  22-x=22/2xだから、2x=tとおくと、t+4/t-5=0。t2-5t+4=(t-4)(t-1)=0. 2x=t=1,4となるから、解はx=0,2。 (例)9x-10・3x+9>0を満たすxの範囲は?  3x=t>0とおくと、t2-10t+9=(t-9)(t-1)>0でt<1,9x<30,32<3x。解はx<0,2(例)y=4x-2x+2+1の最小値は?   2x=t>0とおくと、y=t2-4t+1=(t-2)2-3>=-3から最小値は−3。(軸t=2x=2、つまりx=1のとき) (例)全実数xに対して22x+2+2xa+1-a>0となる実数aの範囲は?

★指数関数の合成と最小値

3.指数方程式・不等式

<解と解の対応> ・方程式f(x)=aでg(x)=2x=tなどをtとおきf(x)=h(t)=yとする。 もし2x,2yなど2種の未知数があるときは、2x=X,2y=Yのようにおこう。 すると、t,X,Yなどが指数関数の値域だから、正になる。これが定義域として正となることが 変化の範囲を調べる手がかりになるね。 ・y=h(t)とy=aの交点の個数の変化を調べる場合、 t軸からyの変化を調べるのではなく、逆関数のようにy軸の値を基準にして調べよう。 交点があれば、解のt座標をg(x)=tに入れて、さらにxの個数を調べる必要がある。 (例)「(xはすべての実数)が成り立つaの範囲」は? g(x)=2x=tとおくと、f(x)=4t2+at+1-a=4(t+a/8)2t-1/16a2-a+1=h(t)とおく。 ・gの値域t,つまりh(t)の定義域は正。 hの軸t=-a/8は、a>=0なら負にあるから,fの最小値のy切片h(0)=1-a>=0。 だから、aが非負ならa<1。(範囲1) ・a<0なら、軸が正にあるので、頂点のy座標h(-a/8)=-1/16a2-a+1>0であればよい。 辺々-16倍して、a2+16a-16<0。a<0の範囲で=0の解はa=-8-√(64+16)=-8-4√5 だから、aが負なら-8-4√5で(範囲2) ・範囲1と2を合併した範囲。 (例)の最小値が-10となるaの値」は? t=2x+2-xとおくと、相加平均が相乗平均以上だから、変域はtが2以上。 f(t)=t2-2-2at+1=t2-2at-1=(t-a)2-1-a2 軸t=aが2以上なら、最小値は-1-a2=-10から、a2=9。a=3。 軸t=aが2未満なら、最小値はf(2)=4-2a-1=3-2a=-10。これから、a=13/2これは2未満でないからダメ。 あわせて、a=3のみ。 (例)「aは2以下のときの実数解の個数とaの範囲」は? t=2x+2-xとおくと、相加平均が相乗平均以上だから、tは2以上。 さらに2x=X>0とすると、t=X+1/X=g(X)となり、 グラフはt=Xが漸近線でX=1のとき最小値t=2となる。 f(x)=t2-2-3at+2a2+2=t2-3at+2a2=(t-a)(t-2a)=h(t)=0の解t=a,2a。 t=a,t=2aをt軸に垂直な2直線を停止し、t=2の方を動かすことで、 t=2というt=g(X)の最小の頂点を示す位置をスライドして調べることができる。 aが2以下という条件はy=2はy=a以上にあること。 ・a=2のとき、gと2直線は3点で交わるから解は3個。 ・a=1のとき、2a=2だから、頂点が2直線の上の方に接するから1個。 ・aが1と2の間なら、gは2直線の上の方と2点で交わるから2個。 ・aが1未満なら、2a<2だから、頂点が2直線の上にあり、交点は0個。

★t=a、2aを止めて、t=2を動かす

★t=a、2aを止めて、t=2を動かす

4.オイラー数e

<指数関数の底の効果> 指数関数y=f(x)=axの特徴の重要な特徴は5つある。 1.(これはルール)底のaは1以外の正の実数なら何でもよいが、  実用的には2,10,e(オイラー数)などをよく使う。 2.全実数から正の数への関数だ。 3.関数のグラフは(0,1)を通る。 4.単調変化。(aが1より大きいと単調増加。aが1より小さいと単調減少。) 5.指数法則が成り立つ。 <オイラー数> 袋の中に1からnまでの番号が1つずつかかれたカードがある。 カードを1枚とってもどす試行をk回やって数字和がnになる確率Pkを求めて総和Snを求めよう。 pk=(n−1個の区切りからk−1個選ぶ組み合わせ)÷nk = 。2項定理から P1からPnまでの総和Sn= lim n・Sn= (Euler数、ネイピア数ともいう) (例) n=5, pow((1+1/5),5) =2.48.. n=50, pow((1+1/50),50) =2.69.. n=500, pow((1+1/500),500) =2.71556.. n=5000, pow((1+1/5000),5000) =2.71801.. n=10000, pow((1+1/10000),10000) =2.71814.. n=50000, pow((1+1/50000),50000) =2.71825... n=1000000, =2.7182804... n=10000000, =2.7182816... <オイラーのアイディア> オイラーは無限小・無限大という考えと2項展開を使って、 指数関数axを級数展開した。 無限小ωという量と無限大のj=x/ωを使うと、ω=x/j。aω=1+kωとなるkがaの値にごとに決まる。 ax=(aω)x=(1+kω)j=(1+kx/j)j=1+j(kx/j)+j(j-1)/2!(kx/j)2+j(j-1)(j-2)/3!(kx/j)3+.......... jが無限大なら、(j-1)/j=(j-2)/j=...=1となり、jを使った係数は消える。 ax=1+kx+(kx)2/2!+(kx)3/3!+........ ・k=1とおくと、. ・x=1とおくと、=2.7182818284590...... このように、オイラーは指数関数を無限項の多項式で再表現することを試みた。 それによって、特別な場合として、オイラー数がeという文字を使って命名した。