iのi乗って何?
1.前回の思い起こし
このワークシートはMath by Codeの一部です。
前回、複素数z=x+y iに対して
指数関数
w=ez=ex+yi=exeyi=R(cos(y) + i sin(y)) (R=ex>0, y=arg w)
対数関数
w=log(z)=u+vi= log|z| + i・ arg(z) (arg zは2π未満)
とした。底がeであることがわかるように、logの代わりにlnとかこう。
また、z=a+bi は、c=|z|とかくと、極形式では、z=(c: θ)と規定できるね。
また、オイラーを見習って、多値関数のままarg z をθ±2kπとかくと、
ln(a+bi)= ln c + i(θ±2kπ)とかける。
iの対数は、i=0+1 i から、c=1となるので、z=(1,π/2)
ln(i)= ln 1 + i(π/2±2kπ)=i(π/2±2kπ)となるね。
2.iのi乗は?
z=iiとしよう。
ln(ii) = i ln i =i ・i(π/2±2kπ)=-(π/2±2kπ)=pとかくと、
ただ単に、logez=lnz=p
対数関数を指数関数を使って再表現しよう。
z=ep
置き換えることで、気軽にもとに戻せたね。
次は、いよいよ、中身を使って再表現しよう。
z
=ii
=e-(π/2±2kπ)
=e-π/2e∓2kπ
前半部分は、
e-π/2
= 1/√(e^π)=0.20787958....(およそ0.2)
a=e2π
後半部分は,
k=0なら、e^0=1
k=1で+の場合、a
k=2で+の場合、a^2
.......
k=1でーの場合、1/a
k=2でーの場合、1/(a^2)
結局、iのi乗は、a=e^2πとするとき、a±k/sqrt(e^π)=a±k・0.20787958....
という無数の実数である。
3.iのi乗を計算してみよう。
質問:i の i 乗を計算するにはどうしたらよいでしょうか。
iのi乗は、a=e^2πとするとき、a±k/sqrt(e^pi)
で求められます。
だから、
a=e^2pi
b=sqrt(e^pi)をもとめます。
指数idP={-5,-4,-3,-2,-1,0,1,2,3,4,5}とリストを決める。
zipを使って、
zip(a^x/b, x, idx)
この値の集まりがiのi乗になるね。
虚数単位の虚数単位乗が実数になること、
それも無数の実数になることが面白すぎるね。
指数が0のとき1/b=1/sqrt(e^pi)だけでもiのi乗は計算できる。
pythonの対話画面では、
>>> a=1/(2.71828**3.1415)**0.5
>>> a
0.20788942661779572
だけで、iのi乗のおよその数が求められるね。