自由度2
自由度には、簡単な計算法があります。
まず、リンク機構を構成する自由点とリンクの数を数えます。
このとき、機構の動きを制限していないリンクは除外します。
例えば、固定点同士をつなぐリンクや、平行四辺形の支柱などです。
支柱はねじれ平行四辺形への変化を防いでいるので、動きを制限しているとも言えますが、
動きの次元までは変化させないので、ここでは動きを制限していないリンクに含めます。
そして、自由点の数を n 、リンクの数を m とすると、
2n - m
が自由度となります。
実際のリンク機構で試してみましょう。
直線器の自由度は1です。
4個の自由点と7本のリンクからできているので、
42 - 7 = 1
計算結果も1となりました。
こちらも直線器ですが、点やリンクの数は少し多めです。
固定点同士をつなぐリンクは無視し、リンク途中にある点は重なって見えないリンクにも注意し…
と数えて行くと、自由点は6個、リンクは11本とわかります。
62 - 11 = 1
となり、こちらも計算は合いました。
この計算が何を意味しているのか、考えてみましょう。
そのために、リンク機構を構成するそれぞれのパーツの役割に注目します。
固定点は、自身では動くことも動きを制限することもしません。
固定点1つだけでもある意味ではリンク機構と言えますが、その自由度はもちろん0です。
自由点は、単体では平面を自由に動くので、それだけをリンク機構と見なした場合、自由度は2です。
リンクは、点と点のつながりなので単体では扱えませんが、その役割は
2点の位置関係を距離の形で制限すること、と言えます。
円のリンク機構を考えると、リンクがなければ自由点は固定点に関係なく平面を動きます(自由度2)が、
リンクでつなぐことで、固定点を中心とする円周上しか動けなくなります(自由度1)。
つまり、リンクは1本につき自由度を1減らしている、と考えられます。
以上の考えは、計算式とも一致します。
固定点は自由度に影響しないので無視して、
自由点は1個につき自由度+2、
リンクは1本につき自由度-1として、
その合計を考えることで、計算式が導けます。