作図と証明について
証明なしの図形の楽しみ方の試み
極と極線の研究において、ほとんど証明はしなかった。
現象があり、その現象が面白いので、いろいろな仮説を試すことをやった。
仮説を試すことは、作図をすることだ。
そして、その結果は一目瞭然。
そして、いろいろな現象を探っているうちに、やがて原理へと遡っていく。
それは、その現象を起こす原理を探っていく過程であった。
これは極めて自然な私たちの思考ではないか。
公理→定理→定理・・・と進む数学の学習とは異なっているが、
むしろそういう発想は人間にはできない。
ただ、研究の成果としてまとめるときには、この公理主義は有効である。
だって、現象がなぜそうなるのか追求したくなるからだ。
この現象を引き起こしている原理(定義や公理)は何だろうと。
ユークリッドやガウスが現象を何とか体系づけようと考えたのは、こういうことではなかったのか。
さて、下の図を動かしていろいろ試してみよう。
証明の一つの方法
上の左側の図をどう証明したらいいのだろうか。
「楕円の外接三角形の頂点と接点を結ぶと、一点で交わる」
楕円で言えることは円でも言えるはずと考える。
円で試すと、実に当たり前。
そして、楕円は円を射影したものだから、円で成り立つことは楕円でも成り立つはず。
でも、長さは変わるけど・・・。そうだ、長さは変わるけど比は変わらない。
比例定数で約分できるから、楕円でも言える。
ところで、チェバの定理はどうするんだったけ。
確か、メネラウスの定理を使えば証明できると思う。
ではメネラウスの定理は?・・・比例で簡単に証明できる。
と言う様に、逆にたどっていけばとてもイメージしやすい。
円に外接する三角形の証明
ところで、右側はどう証明すれば良いのだろうか?
三角形の極は内接する二次曲線を持つ
証明
「△ABCとその極Dの作る△EFGで、△ABCに内接し、△EFGに外接する二次曲線がある」
これを証明するために極線を使う。
Dを極とする△ABCの極線HIを作図することができる。
BDの延長線と極線の交点をKとすると、内接する四角形の交点Dの極線はHIであり、
ELとFMの交点はKとなる。
Iの極線はAFであり、したがってIとLを結んだ線はこの楕円の接線になる。
Mについても同様。
よって、五点からできるこの二次曲線は△ABCに内接する。
作図ナビゲーションを使って、作図のし方を調べてみよう。