1「導入」(第一回講義まとめ)
集合とは(導入)
集合とは物の集まりである
物が集まれば集合になる
例えば『果物』は集合である
元、要素とは集合を構成するものである
「りんご」、「みかん」は要素である。
『果物』の中には「りんご」や「みかん」が含まれている。
また『果物』には『柑橘類』という”集合”も含んでいる。
集合に集合が含まれることはあるが、要素に集合が含まれることはない。
抽象的な話をする
自然数の9は自然数全体の集合に含まれている。
自然数全体の集合は整数全体の集合に含まれている。
このように要素や集合には相互に”含まれる”、”含まれている”の関係を持つ。
集合に関する記号の定義と説明
集合や要素を考えるときにその集合や要素が含まれているおおもとの集合考えることが多い、そのおおもとの集合をUとする。あまり使わないのでUは集合であるとだけ覚えておけばよい。
集合Aが集合Bに含まれるときと表し「BはAの部分集合」という。例えば 果物柑橘類 である。
この記号は集合と集合の関係を表すときに使われる演算子である。
またである。果物は果物を含んでいる。
(真部分集合についての説明は割愛)
集合Aが要素aに含まれるときと表し「aはAの要素」という。例えば 果物みかん である。
この記号は集合と要素の関係を表すときに使われる演算子である。
(空集合は後述)
任意の?存在する?有理数?複素数?
「整数全体の集合は自然数全体の集合を含む」、「正弦関数を余弦関数で割った関数を正接関数として定義する」
この2つのような日本語で書かれている文は冗長で数学では嫌われる。かの有名なε-δ論法も「任意の正の数 ε に対し、ある適当な正の数 δ が存在して、 0 < |x − a| < δ を満たす全ての実数xに対し、 |f(x) − b| < ε が成り立つ。」は意味は分かるがとにかく長い。そこで今まで数学では様々な数式や記号を定義し簡潔で見やすい数学を創ってきた。先ほど「含む」に関しては記号を定義したようにここでは他の記号も定義していく。
まず「任意の実数aに対して2乗は0以上である」はのように表せる。は全称記号といい「すべての~」、「任意の~」を表す。は実数全体の集合である。例えば円周率πやネイピア数e、log2など数直線上の値すべてを集めた集合である。
「全ての整数aに対して、a+e=aを満たすような整数eが唯一存在する(和に関する単位元の存在)」はのように表せる。(合ってるかな?)は存在記号で「存在する」を表す、特に”唯一存在する”とき、と表す。例えばとなる自然数nは無数に存在するが、となる自然数nは1つしか存在しない(n=0)。「s.t.」は「~を満たす」という意味である。は整数全体の集合である。
上記ではには説明したが他にもやなどがある。は自然数全体の集合、は有理数(整数p,qについてp/qで表せる数)全体の集合、は複素数全体の集合、に関しては場合によって異なるが一般には素数全体の集合、は4元数(複素数の拡張)全体の集合である。
他の記号
:なにも含まない集合
:和集合(例:偶数 奇数=自然数)
:差集合(例:実数 有理数=無理数)
:積集合(例:偶数 奇数=)
:集合Aの補集合
:集合Aの冪集合
:集合Aの濃度(詳しくは後述)
質問
Q.和集合、差集合、積集合、はあって商集合はないの?
A.商集合はありますが今の段階では定義できないので出してません。待っていてください
【演習1】U={x|12の約数}, A={1,2,3,4,5,6}, B={2,4,6,8,10}, P={2,3,5,7,11,13}のとき以下の問いに答えて
(1) は真か? (2) は真か?