抽出器
前章で角度抽出器について説明しましたが、
角度が分かるなら、極座標表示におけるもう一つの要素、
距離も取り出したいものです。
目標は、極座標表示で (r, θ) と表せる点を角度 -θ だけ回転移動することで、
r を点 (r, 0) の形で取り出すことです。
点の位置はひし形リンクの形で捕捉しているので、
正確にはこのリンクを回転移動することになります。
ひし形の開き具合に当たる角度を α とします。
赤い点の位置を決定する2つの角度は、 (θ + α, θ - α) と表せます。
まず、角度 θ - α のリンクを、角度 0 のリンク(固定されている)を基準に対称移動させます。
すると、移動先のリンクの角度は、-(θ - α) すなわち α - θ となります。
そして、移動したリンクと、θ + α のリンクによる角を二等分します。
角度加算器のときに少しだけ触れたように、これは二つの角の平均を取る操作で、
現れる角は
{(θ + α) + (α - θ)} / 2 = α
これで α を取り出すことができました。
点を、その極座標表示に変換できることが分かりました。
次は、直交座標表示に変換してみましょう。
図は、逆転器部分を省略した直線器です。
このように、
・直線器を水平に置く
・直線を描く点から、直線器を垂直に置く
という手順で、水平方向成分(x座標)、垂直方向成分(y座標)を別々に取り出すことができます。
動く点から直線器を垂直に置く方法は、水平直線器から角度を取り出し回転する、
あるいは垂直の角度を複写器で移動する、などがあります。